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弁護士有村佳人  
居候のひとりごと
 
 

有村総合法律事務所
弁護士 有村佳人

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居候のひとりごと2

 

今回は私がコラムを書くことになりました。

さて,弁護士の仕事というと,皆さんは何を想像されるでしょうか。おそらく,「弁護士=法廷」というイメージが強いのではないかと思います。

当事務所では,法廷での仕事,いわゆる訴訟事件が比較的多いです。もちろん,訴訟事件以外の事件も多く扱っておりますので,当事務所の仕事には,法廷に行くことのほか,打ち合わせ,交渉,書面(訴訟用の書面も含みます)の作成,文献・裁判例等の調査,現場調査,原稿監修等,さまざまなものがあります。

このような仕事をしているのですが,訴訟であれ交渉であれ,相手がいる仕事であり,かつ,その相手は利害が対立しますので,いろいろと難しいことが多いです。

特に一般の方(法律家以外)と交渉を行う際に,考え方の違いを感じることが多々あります。法律家として交渉を行う場合,やはり,「これが訴訟(裁判)になった場合,裁判所はどう判断するだろうか」という考えを頭の片隅において交渉するのですが,一般の方は「私はこれだけ困っているんですから全部払うのが当然でしょう。なぜ払えないんですか。」という,一方当事者からの視点に立ったご要望をされる方が多いです。一方当事者としての視点はもちろん重要ですが,ただ,そこに,第三者(裁判所など)がどのように判断するだろうかという視点を持っているかどうかの違いはあると思います。

これに関連して,一般の方と法律家との違いとして挙げられるのが,客観的資料(証拠)を重要視するかどうか,という視点ではないかと思います。一般の方で多いのが,「領収書などは残っていないが,実際に出費した。だから払って欲しい。」とのご要望です。確かに気持ちはわかります。領収書などをすべて残している人は,一般的にはむしろ少ないのではないかと思います。また,交渉をしている中で,本当に出費しているのかもしれないな,と思うこともあります。しかし,客観的資料がない限り,こちらとしては,実際に出費しているのかどうか,結局のところわからないのです。わからない以上,認めることはできないのです(場合にもよりますが)。第三者(裁判所など)が判断するとしても,同様ではないかと思います。

とまぁ,いろいろと書いてしまいましたが,要するに紛争解決は難しいことが多いということです(だからこそ弁護士に依頼するのでしょうが)。

年末(若しくは年始)には新人が入ってくる予定なので,今度は私が「先輩の権威」で新人にコラムを書かせようと企んでいる今日この頃です。

2008.9.17  北谷 共衛  記

 

居候のひとりごと

 

現在、当事務所には勤務弁護士が2名在席しております。

勤務弁護士とは、サラリーマンと同じく事務所から給料を頂いて事務所の事件を担当する弁護士で、巷では居候弁護士(略してイソ弁)と呼ばれる弁護士です。

そのため、事務所の代表弁護士(ボス弁と呼びます)からの指令を受ければ、二つ返事で「了解しました!!」といった具合に、せっせと仕事に励むことになります・・・そして今回、ボス弁から「ホームページに何か載せるから原稿を作っておけ!」との指令が下り、原稿を作ることになってしまいました。

「ボス、うちらイソ弁もそんなに暇ではないと思うのですが・・・」と頭を過ぎる間もなく、「了解しました!!」という言葉が口をついて出てくるわけです。

そんな調子でパブロフの犬と化している私も、当事務所で勤務して早3年目。最近、新たに事務所に来た後輩弁護士もできて、日々楽しく仕事をしております。

さて、基本的な弁護士の業務は、法律が絡んだ争いごとについて一方の当事者から依頼を受けて解決を目指す、ということになると思います。

そうすると、相手の方とは対立する関係になってしまうのですが、たまに相手の方から、「弁護士さんは正義の味方なんだから、こちらの言うことも考えてくださいよ」なんて言われてしまうことがあります。

もちろん、その方の言われることが法律上妥当なことであれば検討します。ただ、相手の当事者の言うことがもっともだと思っても、「こちら側の立場ではこんな考え方もできるから、あなたのおっしゃることを素直に了解できませんねぇ。」と切り返すこともしばしば。そうすると、今度は相手の方から「なんだい!弁護士さんってのは正義の味方じゃないのかい。」となります。

こんなやりとりを、ご覧になった方はどのように思われるでしょうか?

我々弁護士は、皆さんが従うべき法律の知識があるサービス業でしかありません。当然、依頼者の方に法律サービスを提供して、その報酬を頂いております。お金を貰っておいて依頼者に不利な仕事をする職業があるはずがありません。そうすると、どうしたって依頼者である当事者の側に立って、法律に従って最善の方法を採らなければなりませんし、そうあるべきです。

依頼者のためにベストを尽くそうとするのは、弁護士業に限らず当たり前のことですが、私がこの事務所で学んだ仕事に対するひとつの姿勢ですし、依頼者から見ればこれが正義だと思うのですが、どうなんですかね。

そんなわけで、とりとめもなく書き連ねてしまいましたが、どうやら、今後もボス弁の指令で我々イソ弁は原稿を書く羽目になりそうです。次回は、先輩弁護士のわずかばかりの権威で、後輩弁護士に書かせようと企んでいるところです。

2008.2.29 細川 亮 記

   
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