現在、当事務所には勤務弁護士が2名在席しております。
勤務弁護士とは、サラリーマンと同じく事務所から給料を頂いて事務所の事件を担当する弁護士で、巷では居候弁護士(略してイソ弁)と呼ばれる弁護士です。
そのため、事務所の代表弁護士(ボス弁と呼びます)からの指令を受ければ、二つ返事で「了解しました!!」といった具合に、せっせと仕事に励むことになります・・・そして今回、ボス弁から「ホームページに何か載せるから原稿を作っておけ!」との指令が下り、原稿を作ることになってしまいました。
「ボス、うちらイソ弁もそんなに暇ではないと思うのですが・・・」と頭を過ぎる間もなく、「了解しました!!」という言葉が口をついて出てくるわけです。
そんな調子でパブロフの犬と化している私も、当事務所で勤務して早3年目。最近、新たに事務所に来た後輩弁護士もできて、日々楽しく仕事をしております。
さて、基本的な弁護士の業務は、法律が絡んだ争いごとについて一方の当事者から依頼を受けて解決を目指す、ということになると思います。
そうすると、相手の方とは対立する関係になってしまうのですが、たまに相手の方から、「弁護士さんは正義の味方なんだから、こちらの言うことも考えてくださいよ」なんて言われてしまうことがあります。
もちろん、その方の言われることが法律上妥当なことであれば検討します。ただ、相手の当事者の言うことがもっともだと思っても、「こちら側の立場ではこんな考え方もできるから、あなたのおっしゃることを素直に了解できませんねぇ。」と切り返すこともしばしば。そうすると、今度は相手の方から「なんだい!弁護士さんってのは正義の味方じゃないのかい。」となります。
こんなやりとりを、ご覧になった方はどのように思われるでしょうか?
我々弁護士は、皆さんが従うべき法律の知識があるサービス業でしかありません。当然、依頼者の方に法律サービスを提供して、その報酬を頂いております。お金を貰っておいて依頼者に不利な仕事をする職業があるはずがありません。そうすると、どうしたって依頼者である当事者の側に立って、法律に従って最善の方法を採らなければなりませんし、そうあるべきです。
依頼者のためにベストを尽くそうとするのは、弁護士業に限らず当たり前のことですが、私がこの事務所で学んだ仕事に対するひとつの姿勢ですし、依頼者から見ればこれが正義だと思うのですが、どうなんですかね。
そんなわけで、とりとめもなく書き連ねてしまいましたが、どうやら、今後もボス弁の指令で我々イソ弁は原稿を書く羽目になりそうです。次回は、先輩弁護士のわずかばかりの権威で、後輩弁護士に書かせようと企んでいるところです。
2008.2.29 細川 亮 記
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